slopeslow

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[014]
Better ways for our products


ブランドをスタートしてから早いもので1年余りが経過した。
Slopeslowというブランド名は、ブランドを運営するわたしたち夫婦の名前から1文字、そして「ゆっくりやりたいね」という思いを込めて作った造語だ。
プロフィールでは名を名乗らず、顔も出さず【BandO】という匿名の夫婦のユニットとしている。漫才風に言うとコンビ名だ。顔出しや名前に関しては、現実よりも想像の余地がある方が、お客様に残念に思われないだろう、という趣旨なのだけれど、【BandO】という名の由来は以下。
筆者であるわたしBの血液型はB型、糸制作を主に担当する夫OはO型、そしてBandOはよくよく見るとわたしたちの名前になっている、という文字遊びなのだ。実はどちらにもそんなに深い意味はない(笑)。
ブランドのコンセプトは【Utility Knitwear】。
「時を超えて愛用され続けるワークウェアのように、経年変化を経ても、長く愛用される、タフで上質、オーセンティックなニットウェア」だ。プロフィール欄にも、「誠実で丁寧なものづくり」「小さな規模でしか出来ないこと」「日々手間暇を惜しまず、楽しみながら、ゆるやかに、スローに、活動している」と記されている。
実際に活動が本格化してみると、あれ?楽しみながら、ゆるやかに、スローに、活動していないのでは、と気付いた。
年に2回の展示会だと、どうしてもサンプルの制作や展示会作業と量産の作業や納品が重なるのだ。
やたらと毎日慌ただしいことこの上ない。こうして早くも自らのアイデンティティの危機に陥った。
どうしたら良いか熟考の末、出した答えが展示会サイクルの変更だ。
軌道修正は早い方が良い。こうして、今回の展示会から秋~春までの商品を年1度の展示会でご紹介するというやり方に切り替えることに決めた。(ニットウェアに特化したブランドの性質上、夏物は無い。)
忙しい理由には色々な要素が絡んでいるが、「小さな規模でしか出来ないこと」を実践していきたいわたしたちにとって、制作面での手間暇がかなりかかることが大きい。
効率は悪くとも、それはどうしても大切にしたい部分だ。展示会サイクルの変更によって得られることは他にも多くある。日本国内での手編みや手横での生産背景は現在かなり希少で、キャパシティが限られるため、短い期間で制作できる数量は限られてくる。
また、昨今、非常に原材料の確保も難しくなっており、より計画的に原材料や生産のキャパシティを確保していく必要がある。年間で生産計画を立てられるということは、こうした問題の解決にも繋がっていくはずだ。
試行錯誤ではあるけれど、わたしたちが目指すものづくりにとって、これからもより良い方法を探っていきたいと考えている。
決して、ただ大変だからさぼりたい訳ではない(笑)。