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Utility Knitwear

“Utility Knitwear”。Slopeslowのコンセプトを一言で表現するとこの言葉になる。 わたしたちが考えるUtilityとは「実用的」「多用途」であるということ。 ニットウェアとはそもそも、動きやすく、アイロンがけも要らず、“ぱっ”と着ることが出来るとても実用的なアイテムだ。
ニットウェアにおいて「多用途」とは汎用性が高く、様々なシーン、フィールドで着用できること。平たく言えば“着回しが効く”こと。 オーセンティックなデザイン、そして良質な素材、最良の方法で作られたニットウェアは、合わせるアイテムやシーンを選ばない。 ドレスやカジュアル、モード、好みやオケージョンによって、様々なスタイルに寄り添うUtility Playerとして日常に溶け込む。

着回しが効くとなると重要なのが「耐久性」だ。 洗濯機でガシガシ洗えるTシャツやスウェットシャツに比べ、ニットウェアはデリケートだ。洗濯機で洗うにしても、型崩れを防ぐためネットに入れ、中性洗剤を使い手洗いコースで洗うことを勧める。 また、カシミヤやウールなど獣毛、紡毛素材は毛羽立ちやピリング(毛玉)が起きやすいのも事実。動物や自分の髪の毛同様、ブラシなどでの手入れが必要だ。

その上で、ニットウェアにとっての「耐久性」とは何か。わたしたちが出した答えは「長く愛用できること」だ。
年齢がばれてしまうのが残念だけれど、わたしには25年ほどずっと愛用しているセーターがある。 これだけ長く着続けたため、少しくたびれてきたけれど、愛着があり捨てられない。
大好きだったデザイナーが作ったこのセーターは、着続けていると、高級ではないけれど、良質な素材が最適な方法で作られていることを実感する。 「誠実なセーター」、この言葉がしっくりくる一着なのだ。 おそらく、わたしにとってこのセーターが“Utility Knitwear“というイメージの原点となっている。

「ウォッシャブル」「アンチピリング」のような機能があるから長持ちするわけではなく、 身体に馴染むデニムのように、経年変化を経ても、大切に、長く愛用されることを目指したい。 さすがに25年の着用テストは難しいけれど、出来る限り着心地や形状変化など確認し、改善策を話し合いながら、コツコツと制作に励んでいる。