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Products of knitwear for 25 Spring/Summer


春夏用のニットウェアのニーズは多くはない。
布帛やジャージーに比べ、ケアが面倒で涼しさに劣るし、メリットが少ないように思えるが、ニットならではのデザインや存在理由もある。
ジャージーのアイテムよりもシーンを選ばないし、高級なレストランやホテルでも見劣りがしない。布帛のものよりも動きやすいし皺にもなりにくく、旅行などアクティブなシーンにも重宝だ。
前回の展示会から、SSの商品までまとめて年1度の展示会でご紹介しているが、その中で特に評判が良かったのがポロセーターだ。
特殊な製法で作られた細番手の和紙と、英式紡績で作られたふくらみのある梳毛ウールを強撚したものを掛け合わせて作ったオリジナルの糸。
その特殊な和紙が持つ調湿性、ドライなタッチと、英式梳毛の強撚ウールが持つキックバック性、保形力の高さがマッチしたOお気に入りの糸だ。
評判の良かったポロセーターは、ミラノリブ組織(ハーフミラノ)の透けず、身体のラインを拾わない肉感が、他にはないアイテムだと絶賛してくれたバイヤーさまも多かった。
実はポロシャツが苦手なわたしBが頑張って形にした甲斐がある。はじめてピーマンを食べられた子供のような達成感、誇らしさを感じる。
長袖が欲しいとお声がけがあり、24SSでは別注で制作した長袖のポロセーターも今回インラインに加えている。カラーは共通だが、ジャストなタイミングで店頭に並ぶよう、半袖とデリバリーを変えている。
同素材の半袖モックネックセーターも継続。製品染めのカラーは新色のディープグリーン、鮮やかなレッド、明るいネイビーを用意した。
今回、同じ和紙/強撚ウールの糸を使ってよりハイゲージの機械で両畦の組織にトライしてみたところ、かなり良いものに仕上がった。
糸切れなど心配していたのだけれど、工場のスタッフも驚くほど綺麗に編めたけれど、これはひとえに工場の技術の賜物だと思う。
両畦のこのシリーズはミラノリブのものとは違う雰囲気になるように、黒のラインをアクセントにしたスキッパーとクルーネックの半袖セーターのデザインにした。
サラッとしたドライタッチはそのままに、ミラノリブより薄手でシルエットもすっきり仕上げているのでジャケットやカーディガンのインにも合わせやすい。
ハイゲージだけれど両畦組織が透け感を防いでくれるのも良い点だ。
カラーは製品染めでミラノリブと共通のネイビー、アイボリー、ブラック(ブラックのみ配色ラインも黒なので無地となる)に加え、シナモン(ブラウン)を用意している。
工場が驚くほど良くできたこのシリーズ、わたしたちの新しいお気に入りだ。
何度もしつこく自画自賛していたOは必ず入手するに違いない。