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Products of jersey wear for 25 Spring/Summer


25 S/S用に展開しているジャージー素材は3つ。
24 S/Sで制作している杢グレーのインレーを製品染めしたスウェットのシリーズ。
長袖と半袖がありカラーは共通だが、ニット同様ジャストタイミングで店頭に並べられるようデリバリーを2回に分けている。
カラーは全て新色で、今回はベースの杢グレーを生かしたciderとlemon、退色した黒のスウェットシャツをイメージしたcharcoalの3色だ。
裏毛と違い裏表を接結する中糸がないので、インレー組織独特の裏糸が表に影響してできる縦筋が独特な表情で、吊り裏毛とは違った味がある。
4本針のフラットシーマーの仕立てと、前後身頃が同パターンのイージーなシルエットで、わたしたちが好きなヴィンテージスウェットへの愛と敬意を込めている。
もう一つ継続しているのがinterlock編みのボーダー素材。
今は無き旧共産圏の国で作られていたミリタリーアイテムの素材感を、どうにかして再現したいと制作したものだ。旧式の編み機で作られた今はほぼ見かけない肉感のインターロック組織(スムース編みとも言う)と、かさっとした決して上質でないコットンのタッチはオリジナルにかなり近く、マニアックな好みだとはわかっているが愛着のある素材だ。
モチーフにしたミリタリーのトップスはボートネックだけれど、共糸のリブ付属を編んで作った長袖と半袖のクルーネックTのデザインを継続。
オリジナルと同じ白黒のボーダーと、製品染めオーバーダイの新色2色を用意して、他の素材と同様に長袖と半袖のデリバリーを分けて展開している。
今回新しく制作した素材がコットン/リネンの薄手の裏毛だ。
より薄手でさらっとした、でもわたしたち好みの古着のような味のある素材を作りたい。
百戦錬磨でわたしたちの難題に付き合ってくれる取引先が提案してくれたのが、フランスのリール地方で収穫されたリネンとオーガニックコットンの混紡糸。
このリネンは収穫後畑で寝かせて腐食させて作るので、収穫時期によって色差があるそうで、リネン独特の生成りの色目は自然任せ、それも天然素材の良さだ。
表面と裏パイル面にはこの混紡糸を、中糸にはコットンを使用して、吊り編み機でガーゼのように緩く、ループを3飛びにして薄手の裏毛に仕立ててもらった。
リネンの生成り色には洗いをかけ、濃色は製品染めのオーバーダイで仕上げている。さらっとした薄手の素材感を生かし、長袖のプルオーバー2型を制作。
ハーフジップスウェットはUSAFA(米空軍士官学校)のものをモチーフに、フットボールシャツはヴィンテージのものをモチーフにしているが、バリバリの本物を目指すのではなく、カットオフディテールをあしらってオリジナルに仕立てたデザインだ。
春夏シーズンに着られるお気に入りが少しずつ増えている。